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第8分科会
「モラルハラスメント」
 〜現場からの報告〜
担当/東京青年司法書士協議会

 モラルハラスメントとは、精神的虐待のことである。
それは、職場、親子間、夫婦間、学校、身の回りの何処にでも存在する。しかし、DVやセクハラなどと異なり物理的な暴力や性的言動を伴わないだけに、問題が顕在化しにくい。しかもその攻撃は、「教育」や「しつけ」「指導」などという名の下に行われる。そのため、加害者はしばしば社会の成功者であるのに対し、「お前に責任がある」「お前が悪い」と責められた被害者は逆に罪悪感にさいなまれ、自尊感情を奪われ生きるための心の力さえも失ってしまう。
 モラルハラスメントは、日本ではまだ、その問題の存在すら十分に認識されていない。
 しかし、これは紛れもなく犯罪なのである。しかも、精神的存在を否定し、個人の尊厳を奪い取るという、惨く醜い、重大犯罪なのである。
 私達は、労働事件、離婚事件、クレサラ事件等を扱う中で、このモラルハラスメントに直面した。それは、表面的な法律問題の背後に隠れていた。被害者は、共通して、自己の苦しみを周囲に理解されないことに悩み、苦しみの正体を言葉にしようとしてもできないことにもがいていた。これは、モラルハラスメントがネーミング以前の段階にあることの悲劇だ。
 そこで、私達は、まずこの問題を顕在化させるために、モラルハラスメントの実態を被害者の体験談を中心に報告する。すでに、フランスやイギリスといったEU諸国ではモラルハラスメント防止法が制定されているが、むしろ日本こそモラルハラスメントの根は深く、そして広く蔓延していると言われる。職場でのパワーハラスメントが問題とされ始めたが、それはモラルハラスメントの一部に過ぎない。男女間、親子、学校、種々のコミュニティー内では、むしろそれ以上にモラルハラスメントがはびこっている。それは私達の日常業務と無関係でないことを、この分科会を通じて知っていただくつもりである。表面的な法律問題の背後に隠れている本当の問題を、私達はこれまで見てこようとしなかったに過ぎないのだ。
 さらに、モラルハラスメントの問題は、私達に、「個人を尊重する」ということは一体どういうことなのかと問いかける。民主主義がゆうに成立しているはずの日本社会でありながら、なぜこのようにモラルハラスメントに寛容な社会なのか。「ひとは皆異なる」が故に尊いという人権意識は日本に本当に存在するのか。私達は、自分と異なる価値観や意見や感性を持つ人間を「あるがままの姿」で尊いと受け入れているだろうか。私達は、モラルハラスメントを通して、この問題を考えてみたい。
 本分科会は、「個人の尊重」ということを根源的に問い、真の市民のための法律家像を模索する、今年11月に開催する全青司関東ブロック東京研修会「モラルハラスメント」のプロローグである。


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