平成２８年７月２９日

横浜ふくしネットワーク　加盟施設　各位

横浜ふくしネットワーク運営委員会

代表　家田満男

特定非営利活動法人福祉オンブズパーソン・Yokohama−Net

代表　向川　純平

社会福祉法人かながわ共同会

津久井やまゆり園での事件について（声明文）

７月２６日（火）未明に発生した障害者支援施設「津久井やまゆり園」の事件報道に接しました。不幸にして亡くなられた利用者の方や、傷つけられ治療を受けている方の恐怖がいかばかりだったのか、想像を絶するものです。亡くなられた方々並びにご家族への心からお悔みを申し上げるとともに、傷を負われた方の一日も早い回復を祈るばかりです。また、施設の中で生活を共にしていた利用者の方たちや対応した職員、ご家族や関係者の心の傷が、少しづつでも癒されていくことを心から願っています。

各社の事件報道によれば、この事件を起こした男性は、当該施設の元職員だったとのことです。同じ障害者福祉施設の関係者としては、複雑な思いが残ることを禁じ得ません。報道を通じて、犯行当事者の事件前の発言や書面に障害者（特に重度重複障害者）への差別感情が明確に見受けられ、攻撃対象としていることがうかがい知ることができます。この差別感情に基づいて凶行に及び，多くの障害者の命を奪っていること自体許しがたい行為であることは言うまでもありません。理由の如何にかかわらず、人の命や生きる権利に勝手に軽重をつけ、それを奪う権利などどこにもありません。

私たち横浜ふくしネットワークは、横浜市内のこのネットワークに加盟する障害者福祉施設とＮＰＯ法人福祉オンブズパーソン・Yokohama−Netが共同して、障害のある方たちの権利擁護を考えていくために組織し運営している団体ですが、今回の事件は、権利擁護の域を超え、人間としての尊厳を侵害した行為としてとらえていきたいと思います。このような悲しい事件が二度と起きぬよう、事件の背景や真相究明に関する今後の報道や経過報告等を踏まえ，何をしていくべきかを共同して考えていきたいと思います。

　人はすべて、障がいの有無にかかわらず、どこに誰と住んでいるかにかかわらず、喜怒哀楽をもって、幸せな一日一日を過ごす権利が平等に保障されています。私たちは、この事件にひるむことなく、今までと同様、障害のある人もない人も共に支えあい、輝きあう地域社会づくりに向けて、これからも日々努力を続けていく事をあらためて誓います。